もくじ
はじめに
ざっくり言うと、ヘルメットは良いものを買おう。という話です。・・・あと、 交通安全 ・ 事故防止にはコミュニケーションが大切だという話です。
中村が講師をしている大学の授業で、近所のバイク屋店長さんをゲスト講師としてお招きしました。 交通安全 についてお話いただいてから、学生と一緒に防災トランプ体験。そんな授業の最後にたどり着いたフレーズは「 交通安全 はコミュニケーション」「バイク事故のボウシはヘルメットから」でした。
大学で防災トランプ!講師にバイク屋さん
プレイリーダーの中村です。非常勤講師をしている大学の授業で防災トランプを扱うことになったので、ゲストとして、バイク販売・修理の「NEXSS金沢文庫」(横浜市金沢区)代表取締役・吉江仁美さんにゲスト講師としてご参加いただきました。今回は、その内容をご紹介します。
ヘルメットの選び方
はじめに、吉江先生から「バイクと交通安全」というテーマでお話いただきました。その中で話題の中心になったのは、バイクに乗る際の装備のお話。今回、吉江先生には実際にバイクに乗る際の装備でお越しいただいたので、実物を見ながらお話を聞くことができました。私は普段バイクに乗らないので、新しく知ることばかり。例えばヘルメットは、値段が安いものから高いものまで様々ですが、値段によってその強度は大きく異なります。授業では、みんなで次の動画を見ながら、ヘルメットの選び方を考えてみました。
ヘルメットの品質
なかなか衝撃的な内容ですよね。かといって、とにかく高いものを買う、というわけにもいきません・・・そこで参考になるのが、規格の有無。バイク用のヘルメットを買う際には、どんな規格がつけられているか、シールなどで確認してみましょう。規格の詳細は、JAFのサイトに解説がありましたので紹介します。
バイクに乗る際には道路交通法で乗車用ヘルメットの着用が義務付けされていますので、「PSC」マークか「SG」マークのついたものを選びましょう。「PSC」マークは製品安全協会が定めた安全基準に適合した製品に表示されます。「PSC」マークがないものは乗車用ヘルメットとしての販売が法律上禁止されています。「SG」マークは製品安全協会が定めた認定基準に適合した製品を示すもので、製品の欠陥による人身事故には最高1億円の賠償が行われます。SG基準はPSC基準と同等かそれ以上の基準をクリアしているので、この2つのマークは同じラベルで表示されていることがほとんどです。PSC/SGマークを取得していないヘルメットは装飾用や観賞用として販売されていることがありますが、これらは乗車用ヘルメットとして使用できません。PSC/SGの上の任意規格として、日本工業規格のJIS規格や、世界でも最もシビアな安全テストを行うSNELL規格があります。SGとJISには排気量125cc以下用の限定規格が設定されているので注意してください。ヘルメットは自分を守る砦なので、安全規格には十分に注意して選んでください。
(引用元:「JAF|クルマなんでも質問箱」http://www.jaf.or.jp/qa/bike/knowledge/05.htm)
いかがでしょうか。色々な規格があって、規格の内容だけでは判断が難しい場面も多そうです。この点について、吉江先生からのコメントは、「そこまで価格が高いものでなくても良いから、JIS規格のヘルメットを選んでほしい。」とのことでした。もちろん、JIS規格なら絶対安心ということでは決してありませんが、ひとつの目安にはなりそうですね。
吉江先生と一緒に防災トランプ体験!
後半は、防災トランプ体験。学生たちはもちろん、吉江先生も「買ってみたはいいものの、プレイする機会がなく・・・」ということで、巡り合わせ良くみんなで初プレイとなりました。
さっそく“防災ババぬき”をスタートし、お題(ハザード)にまつわる話をしていきます。最初は、自然災害に関するお題に注目が集まりました。その中で、「外にいるときに大雨が降り始めた」というハザードについて学生の一人が話をしようとするも、具体的な話にするのがなかなか難しい様子。そんなとき、吉江先生から出された話題は、昔はよく金沢文庫で冠水が起きたというお話。現在は排水整備が進み、学生たちはめったに冠水など体験することはありません。防災トランプの特徴である、世代間での体験の共有が発揮された一幕でした。
大声からの急ブレーキ
そして、いよいよ話題は交通安全へ。「不規則な生活が続き、きちんと眠れていない」というハザードについて、学生が語り始めます。「以前、友達と夜通し遊ぶことがよくあったが、あるとき、朝まで遊んでから車で帰ることがあった。その途中、山道を走っているときに眠気に襲われ、さらに突然大雨が降ってきた。意識も視界も朦朧とするなか、助手席に乗っていた友達が突然大声をあげたため、咄嗟に急ブレーキ。気づくと、そこには信号待ちをしていた車が。友達が知らせてくれなかったら、確実に突っ込んでいた。」
防災トランプと 交通安全
そう、防災トランプが対象とするのは自然災害だけでなく、交通事故などの人災も含まれるのです。吉江先生は、今回プレイしてこのことを初めて認識したとのことでした。実際、「左右を確認せず道路を横断する」といった、交通安全に直結するハザードも含まれています。
例えばこのお題であれば、みなさんも危険な体験の心当たりがあるのでは。私は以前、韓国へ行ったとき、習慣になっている「右見て左見て、もう一度右見て」から道路を渡ろうとしたら、道路手前を左からくる車に轢かれそうになったことがあります。ここで私は習慣の怖さに気づきました。「右左右」の確認順は、日本の車道が左側通行で、道路横断の際に手前の車線は右から車が来るからこそのものだったのです。つまり、韓国など車道が右側通行の国では、「左右左」の順に確認してから道路を渡るのが良かったのです。
こんなふうに、お題(ハザード)そのものに答えるというよりも、お題に含まれるキーワードを話のタネにして、皆で体験や考えを共有するというコミュニケーションをとれることが、防災トランプの本質ですよね。吉江先生にも学生たちにも、改めて防災におけるコミュニケーションの重要性について考えてもらえました。
交通安全 もコミュニケーション
授業最後のまとめの時間。防災トランプ体験を経て、吉江先生からいただいた言葉は、「交通安全もコミュニケーション」というものでした。例えば、車やバイクに乗っているときの「車線変更のコミュニケーション」。みなさん、ウィンカーを出して車線を変えているかと思いますが、ただ漫然とウィンカーを出してしまっていないでしょうか?
- 入りたい車線を目視確認して、安全に車線変更できる状況であることを確認する。
- ウィンカーを出す。
- 後方の車へウィンカーの意図が伝わっていることを目視確認して、車線を変更する。
以上3つの手順をしっかり踏んで、お互いに意志疎通を図ってこそ、安全が確保されるのです。「なぜ、ウィンカーを出すのか?」 そんな、交通安全の“当たり前”の意味を、コミュニケーションの視点から、改めて考えてみる機会になりました。
吉江先生、どうもありがとうございました。
中村和彦
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