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コツコツ防災|防災訓練を日々の生活から考える

看板と防災

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はじめに

ざっくり言うと、看板屋が看板に関する危険と対策を解説します。

プレイリーダー鷺巣のお話

看板

 
プレイリーダー鷺巣のお話

看板屋としての体験談と、ニュースで話題になっている看板の落下、この2つの観点から看板を取り巻く危険と予防策について考えてみます。みなさんも、自分の家の近く、職場の近く、通学・通勤経路など、頭上の看板をよく見てみてくださいね。


老朽化した袖看板の撤去の話

私が看板屋として、風当たりが強い箇所に取り付けられたある袖看板を撤去した話です。
この看板は設置後20年以上が経過し、「接合部のサビ」と「金属疲労」による歪みが確認でき、看板本体もしくは、中のアクリル板が落下する可能性がありました。
さらに歩道の真上に位置していて、もし落下するような事があれば、人身や交通への危険は避けられません。
老朽化に気付いたオーナー様からの依頼を請け無事撤去する事ができました。

もし看板が落下したらどれくらいの衝撃なのか

NHKクローズアップ現代で衝撃実験の結果に関する記事がありました。

落下の衝撃はどれほどのものだったのか。
重さ5.5キロの板を、高さ10メートルから落としたときの衝撃を調べた実験です。
ぶつかった際の衝撃は、重さにして100キロ相当。
札幌の事故の場合、この10倍以上の衝撃があったのではないかと見られています。
引用 NHKクローズアップ現代

高さ10Mは、約4階相当。看板の本体は、軽いもので40kg,重たいものは100kg以上と、様々です。。もし落下となれば、人命に関わる事になってしまいます。

看板事故が増えている現状

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近年では、ニュースで取り上げれられる看板事故が増えています。

点検不足と老朽化

理由として考えられているのが、高度経済成長、バブル期に急激に色々なものが作られ、点検していくまで手が回らなかったことがひとつ。
トンネルの天井落下事故も含めて、建物、工作物の老朽化、点検不足が現状としてあります。

想定外の雨風

二つ目は、ゲリラ豪雨、突風、など「想定外」の災害です。2015年には、阪神淡路大震災の復興のシンボルである神戸ルミナリエのイルミネーションが「想定外」の強風で倒壊しました。運動会などの際にグラウンドに設置されたテントが強風に煽られ倒れるのを目撃した方も少なくないかもしれません。
いままで問題のなかったものが、、、想定外の事故につながる件数が増えています。

事故を防止するための管理体制と現状

雨や強風、太陽の熱、車の振動、など、かなり過酷な環境下に設置される看板。
高さ4Mを超える看板は、工作物として、建築基準法により、申請、審査が必要となっています。行政によって定期点検が義務付けられていたり、様々な規制があります。
しかし、現状は、申請が必要な看板のうち、無申請のものがなんと7割以上だったり、
点検が行われたとしても、コスト面から、高所作業車での点検ではなく、地面から双眼鏡での目視にとどまる事が多く、2015年、札幌での看板落下事故の際も、地上からの目視による点検が行われ、問題無しと報告された看板でした。

事故を防ぐためには

国を含めた行政サイドでは、安全の基準や、規制などを強化したりという事があるかもしれませんが、大事なのは、看板設置するオーナーや、業者の安全に対する意識になると私は思っています。建物の一部として、きちんと安全を考慮した看板、定期点検をしていく事など。

看板屋として、できること

設置の打合せの中で、避けて通れないのが、予算の話。板を作成するにも、木材よりアルミ、アルミよりステンレスの方がより強度が保たれますが、コストもかかります。
しかし、長期的にみると、当然強度の強い看板を作成した方が、長持ちをしますし、事故などのリスクも減らす事ができます。
ただ、なんでも高いものが良いというわけではなく、設置期間や場所、大きさなどの条件のなかで適したものを提案していくのも、もちろん大事な仕事です。

おわりに

会社やビジネスの顔である看板。象徴であるロゴマークやサービス内容を示したり、重要な広告ツールです。その反面、記事に書いたようにしっかりした管理を行わないと思わぬ大惨事の原因となっていまします。これから新規設置や、リニューアル、点検など、看板の困りごとや悩みがあれば、お近くの看板屋さんにきちんと相談されてください。私も看板屋の一人として、広告と町の安全に貢献できるよう努めていきたいと思います。

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鷺巣卓也

鷺巣卓也

1979年横浜生まれ、横浜育ち。防災エデュケーション協会認定防災トランププレイリーダー。日本大学経済学部卒業後、不動産担保融資のノンバンクに5年間勤務。その後、家業の印刷・看板工房グランドで勤務。営業兼デザイン担当。
鷺巣卓也

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