もくじ
はじめに
ざっくり言うと、指を骨折して全身麻酔の大手術(私にとっては)してしまった話の続編です。
プレイリーダー岡の体験談
指の骨折 で手術をした話①では骨折してから手術までの様子を掲載してきました。
その②は、手術後に骨を固定するためのピンをつけたままの生活とピンを抜いたあとのリハビリ生活に関するのお話です。
労働災害保険の適応
ここまであえて触れてきていませんでしたが、今回の骨折は仕事中に起きた事故になるため、労働災害保険が適応されることになります。
現在申請中ですが、労働災害保険の証明書を提出するまで、かかった医療費は全額自己負担となります。健康保険のように3割支払ではないため、一時的とはいえ多額の医療費を自分で建て替える必要があります。
一時的には大きな出費
お話①で紹介した、初診の外科での治療費、みなさんはいくらだったと思いますか?
詳しくはお伝えできませんが、なんとおおよそ6万円近くの請求されました。
その後も、入院、手術、通院による経過観察とリハビリで、これまでの負担額は少なくない額に膨れてきています。
病院によって異なる制度~一時預け金制度に助けられる~
病院によっては、労災だから全額前もって負担してくださいというところ、または全額あとで労災がおりてからの請求でいいですよというところもあるそうです。
私が行った病院では、幸い、病院側が設けている一時預け金という制度によって手術入院費用は、全額ではなく、病院から指定された一部の額を預けておくだけでよいことにしてくれています。私の場合は10万円の預け金で済みました。実際に労災認定がおりてから証明書が発行されたら、預け金が戻り、病院側が労働災害保険のルートで請求してくれるというものです。
自己負担は自分の責任。ですからしかたないですが、いずれは労働災害保険をとおしてお金が支払われます。これもなんだか申し訳なくおもう気持ちでいっぱいになります。
周囲への負担もかかる怪我
もっと大変なのは治療に使った時間や、周囲の方の時間を使ったこと。
手術時に家族の付き添いが必要で、仕事を休んだ母、お見舞いに来てくれた方の時間や心配、自分が仕事に行かない代わりに業務を負担してくれた同僚、労災の手続きをしてくれたジムの方…など怪我をしなければ必要のなかったお金、時間、そして周りの方へのご迷惑を生み出すことになってしまいました。
今回の骨折を通して、日々の自分の判断や行動が良くも悪くも、大きなことへ繋がることを自覚する経験となりました。
術後、翌日の朝~痛みからの解放~
骨を止めるピンを入れる手術の翌日、朝7時の朝食後にようやく痛み止めを出してもらえました。
それまで、術後のやんわりとした点滴1回のみ。なので、手術をした日から翌朝までは激痛と戦いました。
夜中3時に痛みに耐えきれず、手の熱を冷やすために氷をもらい、痛みを和らげるために右手をガチガチに冷やして乗り切りました。
そんな必死な状態での朝に、血圧を測りにきた看護師さんに「手が冷たーい。冷やすのは手術したところだけでいいのに~」と笑われ、思わずカチンと来てしまいました。手が燃えるように痛かったのに、お薬はもらえない。だから凍ってもいいと思うほど冷やさないととてもじゃないけど眠れなかったのです。と言ってしまいたい気持ちををぐっとこらえて我慢しました。
痛み止めが効いてきたのでようやく眠くなってきます。
仮眠をとって10時頃の先生の回診、消毒を待ちました。
術後にはじめて見た自分の手
先生がきた際に、はじめて術後の自分の手をみることができました。
包帯の中から出てきた指には、つまようじよりも1まわり以上太い鉄のピンが2本ささっていました。
おもわず「えぇー!!こんな太いピンだったんですか?!聞いてない、こんな太いと思わなかった、先生に騙された!」
と狼狽えるほど、太く指から飛び出している異物に困惑してしまいました。
写真にすると閲覧注意になってしまいますから、絵にしてみます。
まるでカタツムリの角のように違う方向に2本の鉄のつのがニョキニョキ出ていました。
手の消毒を行い、包帯を巻いてカタツムリ状態の指を隠してもらい、処置は終了。
さすがにこの段階で、この日の午後から仕事を入れたことを後悔し始めました。
仕事へ行くのを迷いましたが、家に帰ってもいろいろ家事など動いてしまうので、結局仕事へいくことにしました。
退院手続きを終えて、職場へ向かいます。
仕事へ
途中、薬局で消毒液や包帯、ガーゼを買い込んで仕事へ向かいました。この日は泊まり勤務のため、丸1日中勤務です。
仕事中にも突然来る痛み止めの切れる瞬間を経験し、どうなることかとおもいましたが、何とか乗り切り、翌日も早朝から仕事をがんばりました。できたら早めに切り上げて帰ろうと思っていましたが、この日に限ってまたトラブル続出で結局残業をし19時に帰路につきました。
職場では重たい荷物を持ったり、水をさわる業務は他の人にお願いできましたが、片手のパソコンがどうしても辛く、いつもの3倍かかったような気がします。
日常生活で困ったこと~移動編~
自宅に帰る途中、電車に乗っていても困ることがありました。
とにかく電車の振動で指がとっても痛いのです。
イスに「ちょっと座りたいな」と思い、優先席ゾーンに行ってみます。しかし、右手の指1本に包帯を巻いているだけなので、優先席を必要としている人には見えない。譲ってもらうこともなく、自分で申告するわけにもいかず、結局20分ほど我慢して電車をおりました。
術後2週間ほどは、電車の振動にしんどさを感じる経験をすることになりました。
日常生活で困ったこと~自宅編~
さらに、自宅に帰ると普段右手が自由に使えていたときのギャップに困りました。いつものように生活しようと思ってしまうのは習慣でしょうか。
慣れない左手だけで日常生活のいろいろをやろうとすると思わぬ失敗を招いてしまいます。
例えば、痛み止めのお薬を飲もうとしたら、お薬の入れ物で左手の指をスパっと切りました。
さらに、お茶を入れようとして、左手の指にお湯がかかってしまいます。
お風呂もビニール袋を包帯の上から巻いて入りますが、洗いきれずに途中でつかれてしまいます。
そして、失敗したことを記録しておこうとパソコンを開きますが…キーボードを打つのが遅く、イライラする。
そこで、1週間は家事を一切せず、早く寝る!に徹することにしてみました。
(…結局4日目で断念し洗濯物や洗いものは再開しました。)
日常生活で困ったこと~外出編~
外出時の持ち物も、右手がつかえないことを考えて、カバンはリュックにしていました。買い物にいくとガラガラカートで、重さを忘れて買い物できるので通常の量を買ってしまい後悔。結局、左手ばかりで持つため左手も痛くなり、駅から徒歩でなくバスにのりますが、また振動の痛みに耐えるという困った2週間でした。
術後のケア
毎日の消毒とガーゼの交換、包帯のまき直しも行っていました。はじめは怖さと痛みとの戦いで、うまく巻くこともできず余分に包帯を多くぐるぐる巻いている状態でした。3週目くらいになると痛みも収まってきて、巻き方も慣れ、片手でも消毒も包帯を巻くケアもささっとできるようになりました。
ピンが抜けた日
退院してから5週間目、2回通院受診をしたあとにピンを抜くことになりました。
この日もいつもの受診の時と同じようにレントゲンを撮った後に、先生との診察に入ります。
レントゲンの様子から見ても、骨もしっかりついてきているよう。
すると、「では、ピンをとりましょうか、ここに寝てください」と突然その場でピンをとる宣言をする先生。
「このままとるんですか?痛いですか?」とビビって質問する私に、先生からは「みなさん割と思ってたよりは痛くなかったっておっしゃいますよ」との返事。
それって、やっぱり痛いってことですよね?と言いたい気持ちを我慢して、診療室のベッドに横になると、医療用のペンチがでてきます。
そして、いきなりピンを抜く作業になりました。
まずは真ん中に刺さっているピンから抜かれます。
ミシミシいいながら、少しの痛みを我慢して、冷や汗なんかも出てきます。
こちらは思ったよりもすんなり抜けて、確かにそこまで痛くはありませんでした。
続いて、爪の横から斜めに指に刺さっていたピンを抜かれます。
こちらは、もっとミシミシ。さらに血もたくさん出てきて、とても痛い。
痛いです!と何度も言いながら、手にびっしょり汗をかきながら、ようやく抜けました。
時間にしたら寝転がってから5分程度の出来事ですが、終わったころには腰が抜けそうなくらいの疲労感でした。
カタツムリ状態から解放され、包帯はばんそうこうへ進化しました。
筋も固まっている指はまだ折り曲げたりはできず。
邪魔なものが取れた分、手の自由度が増して、さっそく動かしてしまうため、痛みとの闘いはしばらく続きました。
激痛のリハビリ
ピンも取れ、数日たったことでもう痛いこともないと安堵していた私。
それが甘い認識でした。
骨折をして固定具を外した後はリハビリテーションが待っています。
骨折のリハビリテーション - 治療後にすべきこと
骨折の治療では、整復、固定とともにリハビリテーションが大きな柱となります。
固定中は筋肉の運動量が極端に減るため、固定を外すころにはだいぶ筋肉の重量が減り、細くなっています(筋肉の委縮)。また、関節も固定していた場合は、固まって動きが悪くなっています(関節の拘縮)。
そこで、筋肉を増やしその機能を回復させるリハビリや、関節の動きをよくするリハビリを早い段階から行う必要があるのです。
リハビリが遅れると、筋肉の萎縮や関節の拘縮が残り、機能が十分に回復しないままになってしまうことがあるので、医師、看護師、理学療法士の指導に従って積極的にリハビリを行いましょう。
高齢者の場合は特に早期からのリハビリが重要です。
引用元:骨折ネット「治療後にすべきこと」
はじめてのリハビリでは、まず作業療法士(PT)さんに指の曲がる角度の測定をしてもらいました。
このとき、自分が右手をグーにできないことを知りました。また、第一関節から先が外に向いて曲がっているためこれから数か月かけて、まっすぐに伸ばしていくリハビリと、指が曲がるようになるリハビリがはじまりました。
リハビリ初日は、手を温めるホットパックをしたのちに指のマッサージを行いました。
このマッサージ、なでているような圧しかかかっていないはずなのに、とっても痛いんです!!
今回はこれくらいにしましょう!と10分ほどで終了したときには、ホッとしました。
その後は、超音波を当てたあと、作業療法士さんが指を曲げていきます。
右手の薬指だけグーッと折り曲げていきます。汗が出るくらいの激痛ですが、グッと我慢。
この記事を書いている今も、リハビリ継続中です。毎日自分でも動かしながら少しでも早くリハビリが終わるように頑張ります。
これから注意したいこと
記事を読んでいるみなさんが、少しでも骨折から縁遠い生活となるように、また万が一骨折してしまったときの参考になれば…と思い、岡がこれから気を付けたいことを共有してみたいと思います。
骨の健康にいい食事!バランスよく食べよう!
カルシウムを摂る!はよく知られていることですが、骨の健康のためにはいろいろな食品をバランスよく取ることが大切なようです。
表.特にとったほうがいい栄養素のまとめ
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注)これ以外にも必要な栄養素はありますが、主なものを一部紹介しました。
食事もバランスよく、またカフェインなども採りすぎると大事な栄養素を外に出してしまうので、取りすぎ取らなさすぎに注意したいと思います。
適度な運動!
体の血の巡りがよくなると、骨のみならず体中の器官、細胞が活性化します。カルシウムが骨にくっつきやすくなったり、骨の代謝がよくなります。
また外での運動で日光にあたるのも、骨の吸収をよくするビタミンDがつくられます。
なによりも、運動することで筋肉をきたえたり柔軟性を保てるため、運動で骨が折れない体づくりをしていきたいですね。
しっかり睡眠をとる!
耳が痛いです…。
骨がつくられるためにはしっかり睡眠をとる必要があると教えられました。予防の観点からいっても、骨を弱くしないためにしっかり睡眠をとることはもちろんですが、注意散漫による事故を防ぐためにも睡眠は大事です。
リスク管理
自分がいる環境で危険の原因(ハザード)とそこから生じる危険(リスク)を確認しておくことができていたら、今回のような骨折にはつながらなかったでしょう。
今回の私の骨折につながったハザードは、
・ドッジボールで怪我をすると予測していなかった
・投げられるボールの威力を意識していなかった
・運動不足だった
・自分の運動能力の衰えを自覚していなかった
・疲れているからだを意識していなかった
・睡眠不足による意識の鈍さを甘く見ていた
・やらないという選択肢を自分で設けていなかった
・自分の体調や状況を周囲に相談していなかった
などなど…たくさんの因子が思い浮かびます。
そこから生じたリスク、いやダメージは…これまで読んでいただいてきたとおもいます。
先にも述べましたが、自分の怪我は自分だけに降りかかってくるのではなく、多くの人を巻き込むことになりますね。
この記事を書き、自分の不注意を伝える恥ずかしい気持ちもありましたが、再発防止の一歩としたいと思います。
防災トランプのはじめて教室へのお誘い
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