昨年2014年の6月19日、小田急線の脱線・停電事故の際、私は2時間以上も車内に取り残されていました・・・。はじめはすぐに復旧するだろうと思っていましたが、「係りの者が誘導します」というアナウンスから実際外に出れるまでに1時間半もかかりました。夕方18時ごろで、帰宅するために車内には人も多く、野次や文句を言う人、気分が悪くなってしまう人、窓から出ようとする人、様々な行動をとる人がいて、大混乱の2時間でした。
ここからは、電車が止まった後の車内の様子を説明してみようと思います。
この日はちょうど、いつもよりも早く仕事が切り上げられたため、珍しく17時台の快速電車に乗っていました。もうすぐ相模大野に着く手前で、車両が突然緊急停止。電気も消えていたため「どうしたんだろう?停電かな?」と思っていたら、車内の誰かがネットで調べたのか「脱線事故だって」とはなしている声が聞こえました。
自分もすぐに鉄道会社のサイトを見てみると、どうやらの倉庫から出てきた電車が脱線事故を起こしたとのこと。脱線した車両によって電線が切れたため、そのすぐ後ろを走っていた私の乗っていた電車は停電状態に。車内はだんだんざわつき始め、文句の声もちらほら上がる状態。
電車が止まってからちょうど20分後、これから係りの者が誘導しますので、駅まで線路を歩き、帰れるようにしますといった内容のアナウンスが流れます。
先が見通せたことでちょっとは安心感を得られたのか、乗客は落ち着き始めました。
アナウンスから15分、何も動きがない状態が続いくと、車内にいた人たちから「なにやってんだよ~」「はやくしろよ~」と文句や怒りの声があがります。
車内は一気に異様な雰囲気になりました。
1時間を過ぎると、人から出る悪口や熱気などで、気分が悪くなる人も出始めます。
停まっていた場所は、丁度高架の上で地上から数メートルある場所。
ドアをこじ開けて出るわけにも行かないのです。
すると、車内放送で突然「危ないですよ、外に出ないでください!」のアナウンス。みんなが隣の車両を見ているので、覗いてみると、窓から外に出ようと試みている人がいる。
外には高圧線注意のサインも見えるところ。
周りの人にも止められ、断念した様子。
車内には、「係員が順次誘導していきます」「運転再開は23時頃を予定していきます」やその時は役に立たないどこの区間が運転再開しているかなどのアナウンスがひたすら流れ続け、…放送があるたびにみなさんイライラしていました。
しかし、1時間半近く経ち、みんな疲れがでてきたのか、だんだんと多くの方が諦める雰囲気になり、車両は静かになってきました。非常灯の車内も暗さが増してきて、薄暗い中、多くの人と一緒なのは不安になってきます。
時間も19時半を過ぎると肌寒くなってきます。2時間近くなると、体調が悪くなる人も出てきた様子。
停電の車中ではクーラーも聞かないため、窓を開けて換気していましたが、空気も薄くなってきます。これが真夏だったら、熱中症の危険もあったでしょう。
熱中症
熱中症と聞くと、炎天下でスポーツをしたり、無理な作業をしたりすることで起こると考えている人も多いでしょう。しかし実際には家庭内で、日常生活の中で起こる熱中症も多くあります。
特に高齢者や乳幼児は、エアコンのない室内や風通しの悪い場所にいると、あまり動かず静かにしているときや、寝ているときなどにも熱中症を起こす危険もあるため、気をつけましょう。こまめに室温を測り、風通しや服装に注意して過ごすことが大切です。
引用元:第一三共ヘルスケア
また、長時間に電車で座っている、水分をとらないでいるなど一定の条件がそろうと、エコノミー症候群といった危険もあるようです。
エコノミー症候群
長時間、座席に同じ姿勢で座ったままでいることで、膝の裏あたりの静脈の血が流れにくくなり、血の固まりができてしまう病気です。
飛行機の中は空気が乾燥していますので、気がつかないうちに体からは、だいたい1時間に80ccくらいの水分が失われてしまいます。長時間のフライトによりたくさんの水分が失われ、静脈の血が固まりやすくなるのです。そして血の固まりが血管の中を流れてゆき、肺に詰まって、息が苦しくなって、重症の場合には命を落としてしまうこともあります。
引用元:日本旅行業協会
外への脱出は1号車と10号車から始まっていましたが、私が乗った車両は5号車。
5号車から10号車へ移動する車中には、体調が悪くなったせいか、座席に横たわったままの人も数名見かけました。10号車の車掌席から、はしごを降りて外に出たのは20時20分、その後駅まで歩いて相模大野駅に到着したのは20時30分、自宅に到着したのは22時でした。
幸い、私は電車に乗る前にトイレを済ませ、カバンのなかにお茶とチョコレート、ケータイの充電バッテリーが入っていました。さらに、タオル地のハンカチを持っていたため、首に巻いて暖をとることができました。
この事故では、電車内での時間が2時間程度でしたが、東日本大震災、発災時には12時間新幹線の車中で過ごされた方もいたようです。
そこで、女性目線で電車に乗る際に持っておくといいこと、できることといいことを下記の表にまとめてみました。
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ちなみに、この電車で同じ車両に乗っていたおばさまの中に、十分な備えで元気ピンピンだった方がいました。この方、19時を過ぎて肌寒くなってきたころに、カバンから圧縮タオルと軍手セットを取り出し開封。手には軍手をはめ、タオルは首に巻いて、元気に車両を移動、線路に降りていきました。
何があっても動じない、自分で解決できる手段を備えておける、そんな素敵な人になりたいなと思いました。
岡歩美
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